東京都神道青年会
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基本活動方針


 先ず以て、謹んで聖寿の万歳と皇室国家の弥栄をお慶び申し上げ、神宮をはじめ各御社頭の御隆昌を御祈念すると共に、日々の神明奉仕に鋭意向き合われている全ての神職はじめ神社関係者各位に敬意を表する。
 数年に亘る新型コロナウイルス感染症による影響は、人々の生活を一変させ、従来の価値観や社会様式のあり方に対し、大きな一石を投じた。その波紋の影響は多岐に渡り、良くも悪くも世界に新たな視座と進歩の機会を与え、人々はこの難局を乗り切るべく英知を結集し、安寧を取り戻すべく邁進した。その過程で獲得したものがある一方で、喪失したものや希薄になったものも多い。時代や環境に適応できないものや弱いものは、遍く淘汰され消えゆくことは自然の摂理である。我々は平穏を崩されては、世の中に隠れているこの残酷な現実を定期的に思い起こさせられる。これは、疫病に限ったことではなく、戦争や様々な自然災害から齎されることもある。人は歴史を学ぶが、歴史からは学ばないことが多い。故に歴史は繰り返す。世界では未だに戦争が起こされ、過去の経験則を活かせなかったが故に、被害が拡大した自然災害や人災も起こっている実情がある。それこそが、「人が歴史から学ばない」様を物語っている。今後、否、今からでも直ぐに、未来に責任ある今を生きる者は、先人から学びつつも、先人が作った悪しき轍を踏んではならない。神の恵みと祖先の恩とに感謝し、世のため人のために奉仕し、むつび和らぎ、国の隆昌と世界の共存共栄を祈る神道に関わる者であるならば尚更である。そして、その中にあっても、特に次代を担う若人たる青年神職は、反省と熟慮を以てより努めていかねばならない。
 今期青年会活動では、本会の目的である「会員相互の研鑽と親睦を図り、神社神道の興隆を期する」ことを中心に、会員一人一人の内に秘めたる想いの灯を集め、歴史から学び、今に活かし、未来を照らすべく温故創新の理念を以て各部各委員会による各種事業を展開する。
 人間社会の良い点も悪い点も全ては「人」に集約される。会においてもそれは同義である。故に、人材育成の観点より、組織のあり様について検討対処し、会員の神職としての資質向上に繋がる技能や知識の獲得と研鑽の場を提供すると共に、同年代の会員を有する神青協をはじめとする他単位会や関係団体との問題意識や情報の共有を含む関係強化と親睦に努める。また、神政連や外郭団体との連携強化に努めつつ、斯界の内外を問わず様々な有識者とも関り、幅広い見識や視座に触れる機会を拡充する。併せて、多様化複雑化する社会情勢と時局問題を認識し、丁寧に対応しつつ、社会に必要とされている堅実な奉仕活動に取り組む。教化育成事業については、未成年特に若年層の教化に注力する。
 本年は、令和の御代となって五年を数え、関東大震災から百年、また、先の大戦後の長きに亘る占領から、東京都小笠原村小笠原諸島が本土復帰し五十五年の節目を迎える。「今を生きる我々が何の上に存するのか。」このことを今一度再認識し、後世に事実を継承できるよう、歴史を振り返り、皇室が英霊や戦災・自然災害の殉難者にどのように寄り添われてきたのかを見つめ直す。その上で、英霊には感謝の誠を捧げると共に、殉難者の御霊に慰霊の誠を捧げるべく、英霊顕彰と慰霊事業に注力する。また、「忘れない、風化させない」の理念を堅持し、激化と頻発化が著しい自然災害に備え、自助と共助の精神を以て、防災と支援に即応できる組織構築と運営に努めるべく災害対策に取り組む。そして、各種活動については、速やかに情報の発信と記録に努め、関係者に限らず斯界外部も意識しつつ広報活動を行う。


会長

  令和六年には、当会は創立七十五年の佳節を迎える。その時を万全の準備で臨むべく「創立七十五周年記念事業実行委員会」を設置し、各種事業に邁進する。
 当会が必要とされる存在としてあるために、原点と歴史に真摯に向き合いながら、時代の流れを見極め、目的を遵守し、義命の存する所に柔軟な思考と積極果敢な姿勢を以て会務の実行に努める。






 東京都神道青年会
 会長 篠 泰比呂